随伴症状(副作用)が比較的強くでた症例(26歳女性)

治りづらいとされるあご下~フェイスラインのニキビのディフェリンゲルによる治療例。

(残念ながら初診時の同じ角度の写真をお見せできないのが残念ですが)
治療開始1ヶ月ほどはニキビが「悪化する」ことがあります。

そして「悪化した」ことで、治療中断してしまう患者さんも少なくないようです。
この患者さんには、当サイトの症例写真で他の患者さんの治癒過程を見ていただき、今後どのように治っていくのかということ、必ず改善していくことをしっかりお伝えして、治療継続していただきました。

その結果、2ヵ月後には、ニキビの悪化および新生ニキビの減少が認められ、さらに4ヵ月後の写真では、ニキビの悪化はもちろん、新生ニキビもほとんど見られなくなりました。
患者さん自身も「顎のニキビが減り、髪の毛を結ばなくてもよくなって、ヘアスタイルを楽しめるようになった」と喜んでいらっしゃいます。

まだ過去のニキビの赤み(炎症後色素沈着)が若干認められますが、さらにビタミンC誘導体との併用で消失させていく予定です。

ディフェリンゲルの角質細胞への分化抑制およびピーリング作用によって、角質層が薄くなり、ビタミンC誘導体の吸収率が高まるため、より高い効果が望むことができます。

それによって、色素沈着の改善だけでなく、同時に肌のきめを整え、毛穴を目立たなくすることも狙います。

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初診から4ヶ月後までの患部の治療経過

皮膚科医向けのコメントとなりますが、随伴症状が強くでると患者さんはたいへん不安になります。

治療開始直後のまだ目に見える治療効果が出ていない時期のため、十分な信頼関係も築けておらず、ディフェリン治療はこのタイミングで中断となることがもっとも多いようです。

しかし、ここで治療中断となってしまうと、「皮膚科に行ったのに、ニキビをただ悪化させただけで終わった」ことになってしまいます。医院にもマイナスになりますが、何よりも患者さんが”ニキビから解放される機会を損失した”ということにほかなりません。

治療の継続は医師の多くの経験に基づく予見とその説明が大切なのは言うまでもありません。
それを前提として、私はまず第一に「患者さんと皮膚科医が一緒にニキビを治していくこと、一緒に乗り越えていくこと」ことを患者さんにはっきりとお伝えするように心がけています。

随伴症状は一時的なものでディフェリンがしっかり作用していることを示す”治癒機転”と捉え、患者さんに乗り越えていただくことが肝要ではないかと思います。

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